2025年天皇賞(秋)に特別登録している、マスカレードボールの手塚調教師の共同会見の内容をまとめました。
要約
マスカレードボールの手塚貴久調教師は、春の成績(皐月賞3着、ダービー2着)を「良い内容」だったと評価し、ダービー後は山本トレセンでリフレッシュ期間を設け、天皇賞(秋)を目標に調教ペースを上げたと説明しました。
天皇賞(秋)を選択した理由については、マスカレードボールの特性を活かすには、菊花賞よりも天皇賞の舞台の方が適しているという判断で、オーナーと相談して決定したとのことです。
夏を越して、元々持っていた「気持ちが強い」面(乗り手に従順でない、競馬に良いイメージを持たない点)が和らぎ、競走馬として完成形に近づいていると感じています。
調教面では、1週前追い切りは長めの距離でルメール騎手に感触をインプットしてもらうことに主眼が置かれました。今週(木曜日)の追い切りは、強めの調教を続けたため、感覚を空ける判断から異例の木曜日実施となり、坂路でダービー時と同等の良い動きを見せており、騎乗した島田騎手も良化を褒めていることから、仕上がりに自信を覗かせました。
舞台設定に関して、調教師は**東京の2000mを「一番の舞台」**と評価しており、左手前が得意であることや、ストライドが大きい走り方、そして中山コースよりも東京コースでの安定した実績があることをその根拠として挙げています。
古馬との初対戦については、3歳馬として与えられた2kgの斤量(重量)アドバンテージを味方にし、強い相手にぶつかっていきたいと意気込みを語りました。
内容詳細
調教師: 皐月賞3着、ダービー2着と、成績的には良い結果が出たかなとは思っています。もちろん1着が一番良いのですが、現状、その当時の力は出してくれての結果かなと思っていますので、中身は良い内容で過ごせたのかなと思っています。
記者: ありがとうございます。では、前走日本ダービーからこれまでの調整過程を教えてください。
調教師: はい。ダービーは春の最大目標でしたので、疲れはそれなりにあったのですが、牧場に戻ってからは、夏暑かったのですが、山本トレセンの方でしっかりリフレッシュといったことも兼ねて、良い夏休みが取れました。秋は早めの調教開始というか、乗り出しは早かったのですが、ゆっくり慣らさせながら基礎体力をまた戻すというようなイメージでやってもらって、牧場というかオーナーとの話し合いの中で天皇賞と決まってからは、その天皇賞を目標に調教ペースを上げたという感じです。
記者: 先ほど今お話が上がりました天皇賞(秋)ということなのですが、菊花賞の選択肢もあった中で、天皇賞(秋)というレースを選択した理由について教えていただきますでしょうか。
調教師: えっと、まず第一に、この子の特徴というか、マスカレードボールの特性を活かすには、菊花賞の舞台よりも天皇賞の舞台の方がより良いのではないかということをオーナーと話しまして。オーナーの方も若干悩まれたようですが、菊花賞の方をパスして天皇賞にしようということになりました。
記者: ありがとうございます。今の夏の過ごし方と、夏を越して成長したと感じる点などあれば教えてください。
調教師: あの、元々、気持ちの変化というか、気持ちが強い子なので、色々こう乗り手に対して従順ではないところとか、あるいは競馬に対してあまり好きなイメージを持たない子だったのですが、夏を越して、少しそういったところは和らいできているのかなと見受けられます。その分に関しては、少しずつ競走馬の完成形に近づきつつあるのかなという気はします。
記者: ありがとうございます。それでは調教についてのお話伺います。先週、1週前の追い切りについて、内容と評価を教えていただけますでしょうか。
調教師: 1週前は、ウッドチップコースで1周半と長めの距離から追い出してもらいました。ルメール騎手に乗ってもらって初めてのコンタクトなので、まずはこの子をよく知ってもらうということが第一でした。時計もさることながら、マスカレードボールの感触というのをルメール騎手にインプットしてもらうという内容がメインだったんですね。調教内容としては少し軽めかなというところもありましたが、その分、この長めの距離で追い切っていますので、その辺の調整はできたのかなと思って、まずの追い切りからというところでした。
記者: ありがとうございます。ちなみに、クリストフ・ルメール騎手から何か感触のお話などはいただきましたでしょうか。
調教師: あ、そうですね。前もって過去に乗った騎手から色々情報を仕入れていたようなところもあって、身構えて乗っていたのですが、実際に乗ってみると大丈夫だったと言って、喜んでいました。
記者: ありがとうございます。では、今週、今日(木曜日)の追い切りについてお伺いさせていただきます。今日の追い切りについてはどのような指示で行われましたでしょうか。
調教師: えっと。まず、木曜日(今日)にやることは異例というか初めての経緯なのですが、先週の追い切りがまずまずの内容で、日曜日もこの馬にとっては大きめの、強めの調教をしたので、その内容が普段よりも濃いものだったので、追い切りをする感覚を1日開けた方が良いかなという判断で木曜日にしました。木曜日(今日)の追い切りはですね、予定通り坂路で行って、ダービーの時と時計的にも同じような感じで動けていますし、今日乗った島田(騎手)も、2週前に追い切りに乗ってもらったのですが、その2週前からの良化というのはよく分かったようで、ずいぶん褒めてくれていたので、良い感じに仕上がったのではないかなとは思っています。
記者: ありがとうございます。先生から見ても評価はどのような…
調教師: あの、2週前はやはり苦しさがあったのですが、先週、今週と追い切りをする前に良くなっているということは感じますし、今日の動きも、坂路なので少し見づらいところはあるのですが、上がってきた息遣いとか馬の雰囲気を見ると、しっかりできているなという風には思います。
記者: ありがとうございます。続いて、舞台設定の話なのですが、前走の日本ダービーの会見の際に、先生が「大箱の広いコースがこの馬に向いている」という風にお話伺っているのですが、今回、東京の2000mという形になるのですが、改めて舞台設定についてお考えでしょうか。
調教師: まあ、この子にとっては東京の2000mは、個人的な感想、気持ちを言うと、一番の舞台かなと思っています。元々、デビューする前からそうなのですが、左手前の方が好きというか、左手前を出したがる子なので、東京の方が良いのかなという気は前からあったのですが、レースの結果を見ても東京コースは割と合いますし、中山コースよりも安定して走れている実績もあるし、走り方自体もストライドが大きいので、合うのではないかなという風に思っています。
記者: ありがとうございます。マスカレードボール、3歳で古馬と初対決ということになります。ファンの皆様に意気込みのほどお願いいたします。
調教師: 古馬初対戦、確かにそうなんですが、3歳も秋になりますし、もう来年からはずっと一緒に戦っていかなければならないので、その分アドバンテージとして2kgという重量をもらって軽くなっていますので、その辺を味方にして、強い相手にぶつかっていければ良いなと思っています。
管理人一言

マスカレードボールは東京コースで(2 1 0 0)と相性バッチリ。ですが、ダントツの1番人気になっており、買いにくい印象です。。。
2kg減のハンデをどこまで活かせるか楽しみです。



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