2025/11/22土曜日に開催される【福島記念】の過去10年データをまとめてみました。
馬券検討の参考になれば幸いです。
1. 過去10年の勝ち馬
過去10年間の勝ち馬、斤量、走破タイム、および4コーナー(4C)通過順位に基づく脚質は以下の通りです。
| 年 | 勝ち馬 (性齢) | 斤量 (kg) | 走破タイム | 4C通過順 | 脚質区分 (4C) | 馬場状態 |
| 2015 | ヤマカツエース (牡3) | 54.0 | 2:02.5 | ② | 先行 | 重 |
| 2016 | マルターズアポジー (牡4) | 54.0 | 2:00.8 | ① | 逃げ | 良 |
| 2017 | ウインブライト (牡3) | 54.0 | 2:00.2 | ② | 先行 | 良 |
| 2018 | スティッフェリオ (牡4) | 55.0 | 1:58.3 | ③ | 先行 | 良 |
| 2019 | クレッシェンドラヴ (牡5) | 55.0 | 1:59.5 | ③ | 先行 | 良 |
| 2020 | バイオスパーク (牡5) | 55.0 | 1:59.6 | ⑦ | 差し | 良 |
| 2021 | パンサラッサ (牡4) | 56.0 | 1:59.2 | ① | 逃げ | 良 |
| 2022 | ユニコーンライオン (牡6) | 57.0 | 2:00.2 | ① | 逃げ | 良 |
| 2023 | ホウオウエミーズ (牝6) | 54.0 | 2:00.9 | ③ | 先行 | 良 |
| 2024 | アラタ (牡7) | 57.5 | 2:00.7 | ⑩ | 差し | 良 |
最速走破タイムは、2018年のスティッフェリオが記録した1:58.3 です。

逃げ・先行勢が目立ちますね。
詳細は以降に記載しています。
2. 走破タイム、上がり3fタイム
過去10年間の勝ち馬の上がり3Fタイムと、レース全体の上がり最速タイムをまとめました。
| 年 | 勝ち馬 走破タイム | 勝ち馬 上がり3F | 上がり最速タイム (着順) |
| 2015 | 2:02.5 | 37.4 | 37.4 (1着:ヤマカツエース, 3着:ファントムライト) |
| 2016 | 2:00.8 | 35.9 | 34.9 (6着:シャイニープリンス) |
| 2017 | 2:00.2 | 35.3 | 34.5 (4着:マイネルディーン) |
| 2018 | 1:58.3 | 35.9 | 35.0 (15着:キンショーユキヒメ) |
| 2019 | 1:59.5 | 35.5 | 35.2 (5着:レッドローゼス) |
| 2020 | 1:59.6 | 35.2 | 34.5 (11着:ロードクエスト) |
| 2021 | 1:59.2 | 37.6 | 35.3 (3着:アラタ) |
| 2022 | 2:00.2 | 36.2 | 34.8 (8着:サトノエルドール) |
| 2023 | 2:00.9 | 36.1 | 34.8 (8着:サトノエルドール) |
| 2024 | 2:00.7 | 36.3 | 36.3 (1着:アラタ) |

「早い上がりを使える」馬はあまり良い成績を収められていません。
3. ラップタイム
過去10年間のレースペースとラップタイムの傾向は以下の通りです。
| 年 | 走破タイム (1着) | テン 4F (800m) | 上がり 4F (800m) | 上がり 3F (600m) | ペース判定 |
| 2015 | 2:02.5 | 47.5 | 49.8 | 37.7 | ハイ (-1.9) |
| 2016 | 2:00.8 | 48.4 | 47.7 | 35.9 | スロー (+1.2) |
| 2017 | 2:00.2 | 48.9 | 47.2 | 35.6 | スロー (+3) |
| 2018 | 1:58.3 | 46.1 | 48.7 | 36.6 | ハイ (-3.1) |
| 2019 | 1:59.5 | 47.2 | 48.0 | 35.9 | ハイ (-1.1) |
| 2020 | 1:59.6 | 47.6 | 48.2 | 36.5 | ミドル (-0.4) |
| 2021 | 1:59.2 | 45.5 | 50.0 | 37.6 | ハイ (-4.6) |
| 2022 | 2:00.2 | 46.8 | 48.4 | 36.2 | ハイ (-1.4) |
| 2023 | 2:00.9 | 47.1 | 49.1 | 36.9 | ハイ (-1.9) |
| 2024 | 2:00.7 | 47.1 | 49.2 | 37.2 | ハイ (-1.7) |
過去10年では、ハイペースまたは超ハイペース(7回)になる傾向がスローペース(2回)よりも多く見られます。
特に2018年と2021年は極端なペースでした。 2018年は、テン4Fが46.1秒と速く、史上最速の走破タイム1:58.3 を記録しました。 2021年は、パンサラッサがテン4F 45.5秒で逃げ、上がり4Fが50.0秒を要する極端なレースとなり、逃げ切り勝ちを収めました。

逃げ・先行馬が優位であることから、ハイペースになることが多いです。
4. 脚質別成績まとめ (16着までのデータ)
4コーナー通過順位に基づき、全完走馬158頭を対象に集計した脚質別成績は以下の通りです。
| 脚質区分 | 勝利数 (1着) | 連対数 (1・2着) | 3着内数 (複勝) | 延べ出走頭数 (16着まで) | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
| 逃げ (F) | 4 | 5 | 5 | 10 | 40.0% | 50.0% | 50.0% |
| 先行 (S) | 4 | 9 | 13 | 49 | 8.2% | 18.4% | 26.5% |
| 差し (M) | 2 | 5 | 9 | 45 | 4.4% | 11.1% | 20.0% |
| 追込 (R) | 0 | 1 | 3 | 54 | 0.0% | 1.9% | 5.6% |
| 合計 | 10 | 20 | 30 | 158 | 6.3% | 12.7% | 19.0% |
逃げ馬は出走数が少ない(10頭)にも関わらず、4勝を挙げており、連対率・複勝率ともに50.0%と極めて高い好走率を示しています。 勝利数は、逃げ馬(4勝)と先行馬(4C通過順2〜5位、4勝)が大部分を占めています。 追込馬(4C通過順11位以降)は10年間で勝利がゼロであり、連対率1.9%、複勝率5.6%と最も成績が低いです。

逃げ・先行の成績が圧倒的です。馬券はテンの早い馬を中心に狙っていく必要があります。
5. 前走レース・レース結果による本レースの傾向
過去10年間の出走馬158頭を対象に、前走のレース格付けと着順の傾向を分析しました。
1走前のレース格付け別成績
| 1走前のレース格付け | 出走頭数 | 1着 | 2着 | 3着 | 連対率 | 複勝率 |
| G1/G2 | 41 | 3 | 5 | 4 | 19.5% | 29.3% |
| G3 | 74 | 3 | 4 | 5 | 9.5% | 16.2% |
| L/OP/条件戦 | 43 | 4 | 1 | 1 | 11.6% | 13.9% |
前走がG3だった馬が最も多く出走していますが(74頭)、G1/G2からの参戦馬(41頭)は出走頭数の割に複勝率が高く(29.3%)、上位争いに加わる傾向があります。L/OP/条件戦からの勝ち馬も4勝を挙げており、特にマルターズアポジー(2016年、前走秋風S/3勝クラス/1着)、クレッシェンドラヴ(2019年、前走美浦S/OP/1着)、バイオスパーク(2020年、前走カシオペアS/L/3着)、パンサラッサ(2021年、前走オクトーバーS/L/17着)、ホウオウエミーズ(2023年、前走新潟牝馬S/L/2着)、アラタ(2024年、前走オクトーバーS/L/10着) などが該当します。
1走前の着順別成績
| 1走前の着順 | 出走頭数 | 1着 | 2着 | 3着 | 連対率 | 複勝率 |
| 1着 | 18 | 3 | 1 | 0 | 22.2% | 22.2% |
| 2~5着 | 40 | 1 | 4 | 5 | 12.5% | 25.0% |
| 6着以下 | 100 | 6 | 5 | 5 | 11.0% | 16.0% |
前走で6着以下に敗れていた馬が6勝を挙げており、全体の勝利数の過半数を占めます。この傾向は、特に前走でG1やG2といった格の高いレースに出走していた馬がハンデ戦で斤量面やローテーションの恩恵を受け、巻き返すパターンが多いことを示唆しています。
2走前、3走前のレース格付け(3着以内馬)
上位3着に入った馬(30頭)の2走前と3走前の出走レース格付けは、G3を中心としつつ、G1/G2やL/OPなど幅広い路線からの参戦が見られます。
| 2走前のレース格付け | 1着 | 2着 | 3着 | 合計 (30頭中) |
| G1/G2 | 4 | 3 | 2 | 9 |
| G3 | 4 | 5 | 6 | 15 |
| L/OP/条件戦 | 2 | 2 | 2 | 6 |
| 3走前のレース格付け | 1着 | 2着 | 3着 | 合計 (30頭中) |
| G1/G2 | 3 | 5 | 3 | 11 |
| G3 | 4 | 2 | 3 | 9 |
| L/OP/条件戦 | 3 | 3 | 4 | 10 |
6. ハンデ別成績 (16着までのデータ)
過去10年間の出走馬158頭を対象とした斤量別成績は以下の通りです。
| 斤量 (kg) | 出走頭数 | 1着 | 2着 | 3着 | 連対率 | 複勝率 |
| 52.0以下 (50.0-52.0) | 27 | 0 | 3 | 1 | 11.1% | 14.8% |
| 53.0 – 54.0 | 56 | 4 | 3 | 2 | 12.5% | 16.1% |
| 55.0 – 56.0 | 58 | 4 | 3 | 4 | 12.1% | 19.0% |
| 56.5 – 57.0 | 10 | 1 | 0 | 3 | 10.0% | 40.0% |
| 57.5以上 (57.5-59.0) | 7 | 1 | 2 | 0 | 42.9% | 42.9% |
勝利数は53.0kg~54.0kg(4勝)と55.0kg~56.0kg(4勝)の中量級ハンデ帯が主力です。 しかし、最も注目すべきは57.5kg以上のトップハンデ帯です。出走頭数7頭と少ないものの、連対率および複勝率が42.9%と非常に高く、馬券に絡んだ馬は2015年ミトラ(57.5kg/2着)、2019年ステイフーリッシュ(57.5kg/2着)、2024年アラタ(57.5kg/1着) がおり、能力の高い馬が重い斤量を背負っても好走する傾向が顕著です。

トップハンデでも簡単に切ってはいけないということを示しています。
まとめ
福島記念は、過去10年のデータから、特定の展開パターンとローテーションを持つ馬が有利となるハンデ重賞であることが明確になりました。
1. 脚質的優位性: 逃げ馬の成績が群を抜いており、出走した10頭中4頭が勝利、5頭が連対しています。これは福島芝2000mにおいて、先手を取って粘り込む戦術が非常に効果的であることを示しています。逆に、追込馬の成績は極端に悪いです。
2. ペースと耐性: ハイペースになる年が多く、特に2021年のパンサラッサのように、極端なハイペースでも逃げ切れるスタミナとスピードの持続力を持つ馬が有利になります。
3. 前走敗戦からの巻き返し: 前走6着以下からの巻き返しで6勝を挙げており、前走の着順を気にせず、能力や適性のある馬を評価することが重要です。G1/G2といった上位クラスで大敗した馬が、ハンデを得て適舞台で激走する傾向が強いです。
4. トップハンデの信頼度: 57.5kg以上のハンデを背負った馬は連対率が42.9%と非常に高く、出走さえすれば格の違いを見せるケースが多いです。特に能力の高い馬であれば、重い斤量を背負っていても警戒が必要です。
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